年金制度の基本
公的年金だけだと足りない?
老後の支出と収入
このページの目次
1 意外とかかる老後の生活費
総務省の令和4年家計調査年報によると、高齢夫婦無職世帯の生活費は、1ヶ月あたり約26.9万円がかかるとなっています。対して、収入は約22.4万円。1ヶ月あたり約4.4万円の不足が生じることとなります。
高齢夫婦無職世帯の収入と支出
高齢夫婦の世帯の生活費
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
公的年金だけでは、生活をしていくのも大変ですね。
2 公的年金はいくらもらえる?
公的年金の給付額は、加入している年金の種類と加入期間によって異なります。
令和5年度の国民年金を例にとると、40年間国民年金のみに加入して満額の給付資格を得ている人は、月額約6.6万円(夫婦の場合約13.3万円)の老齢基礎年金を受け取ることができます。
自営業者の夫婦の金額
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
会社員の方は、国民年金の上乗せとして厚生年金にも加入しているため、老齢基礎年金に加えて厚生年金からも給付を受けることができます。
夫(妻)が会社員、妻(夫)が専業主婦(主夫)の夫婦の金額
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
ゆとりある生活のためには、1ヶ月約37.9万円必要
財団法人生命保険文化センターによれば、趣味や旅行等を楽しみながらゆとりある老後を過ごしたいと考えるなら、1ヶ月あたり約37.9万円が必要というデータもあります。
令和5年度の国民年金を例にとると、40年間国民年金のみに加入して満額の給付資格を得ている人は、老齢基礎年金が月額約6.6万円(夫婦の場合約13.3万円)なので、約24.6万円の不足、厚生年金加入者の平均的な年金支給額は約22.4万円なので、1ヶ月あたり約15.5万円ずつ不足していくことになります。
ゆとりある老後生活を送るためには、定年前に十分な貯蓄を用意しておく、定年後も働いて収入を得るなど、公的年金以外の収入を考える必要があります。
夫婦2人でゆとりある老後生活を送るために必要な総額
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
このページのまとめ
会社員の方にとって、定年退職後の生活の支えとなる公的年金。しかし、この公的年金だけで生計を立てることは多くの人にとって難しいようです。
老後にかかる生活費は夫婦2人の場合、平均で約26.9万円(月額)、ゆとりある生活を送るためには約37.9万円(月額)が必要だといわれています。
公的年金で賄えない不足分をどのように補っていくのか。
定年前に貯めておく、定年後も働くなど、早いうちからライフプランを立てて、老後生活に備えておく必要があります。