運用を考えよう
投資知識を身につけよう
このページの目次
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投資の「リスク」
「リターン」って何?
資産運用での「リスク」とは、プラスもマイナスも含めた「収益(リターン)の変動幅」をいいます。リスクとリターンは表裏一体の関係で、一般的に高いリターンを求めるほどリスクは高くなり、リスクを避ければ、高いリターンは得にくくなります。
リスクとリターン
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
大きなリターンを得るためには、
リスクと上手に付き合っていくことが必要ね。
2 リスクってどんなもの?
ひと言に「リスク」といっても、その種類は様々です。主なリスクとしては、以下のようなものが挙げられます。
リスクの種類の一例
価格変動リスク
株式等、会社の業績や市場全体の動向により、運用商品の価格が不確定に変動すること。
インフレリスク
物価が上昇すること(インフレーション)により、お金の価値が下がってしまうこと。
金利変動リスク
金利が上昇すると下落し、金利が下がると上昇する債券価格のように、金利変動の影響を受けて資産価格が変動すること。
信用リスク
金融機関や株式・債券の発行元の信用が低下したり、破綻することで、元本が返済されなかったり、利息や配当が予定通りに支払われない等の債務不履行のこと。
為替リスク
為替相場の変動によって、円に換算した運用商品の価格が上がったり、下がったりすること。
カントリーリスク
投資した外国の資産価格が、その国特有の事情(紛争、自然災害、経済の不安定等)によって変動すること。
3
リスクを抑える
投資方法を知っておこう
投資の方法を工夫することによって、リスクは抑えることができます。効果的な方法といわれているのは、『分散投資』と『長期投資』です。『分散投資』には「商品・投資先の分散」と「投資タイミングの分散」があります。
リスクを抑える投資方法
商品・投資先の分散
値動きの異なる商品や、異なる投資先(異なる地域や通貨など)に分散して運用すること。さらに、株や債券など値動きの異なる運用商品を組み合わせることで、1つの商品が値下がりしても、もう1つの商品が値上がりすれば、補い合うことができます。
- 例)
- 「輸出が中心の企業」と「輸入が中心の企業」に分散(為替リスクに対応)
「株式投資信託」と「債券投資信託」に分散(インフレ、金利変動リスクに対応)
「外国株式型の投資信託」と「国内株式型の投資信託」に分散(価格変動、カントリーリスクに対応)
卵は1つのカゴに盛るな
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
投資タイミングの分散
運用商品をある時期にまとめて購入するのではなく、タイミングを分けて購入すること。仮にタイミングを見誤っても、まとめて購入した場合に比べて掛金が少ない分、損失も少ない。また、別のタイミングで購入した分が値上がりすれば損失分を補うことができます。
ドルコスト平均値・一定口数購入イメージ
※図がはみ出す場合は左右にスクロールできます
長期投資
運用していると、値上がりすることもあれば、値下がりして元本割れすることもあります。短期的には値下がりしていても、中長期的な視点で見ると値上がりすることもあります。定期的に見直すことは大切ですが、腰を据えて投資を継続することが大切です。
このページのまとめ
「卵は1つのカゴに盛るな!」という、投資の王道を説いた言葉があります。確定拠出年金で老後の資産形成を考える上でぜひみなさんに知っておいていただきたい言葉です。
卵というのは、みなさんのお金のことです。カゴは投資先を表しています。具体的には、日本の株式市場というカゴ、日本の債券市場というカゴ、外国の株式市場というカゴ、外国の債券市場という4つのカゴが基本です。
これらのカゴは、国や企業がみなさんからお金を調達してよりよい明日のために物やサービスを創り出す仕組みですので、長期的にはその資産価値は成長するカゴです。しかしさまざまな要因により、時に価値が上がり、時に価値が下がり、またそれぞれのカゴの価値の変動は私たちが予測することは全くもって困難であるという特徴があります。
そのため、卵を1つのカゴに盛ると大切な卵をすべてなくしてしまう可能性があるので、いくつかのカゴに卵は分けて盛りましょうというのがこの言葉の意味なのです。また卵を盛るタイミングも少しずつ分けた方がよいというのも投資の王道です。これも価値の変動が予測不可能であるというところからいわれるところです。
卵はいくつかのカゴに分ける!これが基本ですが、それぞれのカゴにいれる卵の数は同一でなくても構いません。なぜならば、カゴにより投資リスク(価値の変動幅)に差があり、それぞれのカゴにいれる卵の数により資産全体の成長が変わってくるからです。
例えば株式というカゴは債券のカゴより投資リスクが高いのでより値動きの変動が激しくなります。価値が上がる可能性が高いけれど時に大幅に値下がりしてしまうこともありうるという意味です。そのため、投資期間が長く投資先の成長をより気長に待てるリスクに対し耐性の強い方、たとえば年齢の若い方は株式というカゴに少し卵の配分を多くするとよいかもしれません。
一方で資金の引き出しが間近になった方にとっては、資産価値の変動は好ましいものではありませんので、債券というカゴに少しずつ卵を移動させていくというテクニックはぜひ身につけておいていただきたいことです。